bokuteの備忘録

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映画「シークレット・スーパースター」ネタバレあり感想&評価

シークレット・スーパースター 

 

まえがき

どうも、夏休みなかなか忙しくて焦っているbokuteです。

 

今回は「シークレットスーパースター」の感想記事を書いていきます!

 

今作は今まで記事に書いてきた大作映画ではなく、小規模公開のインド映画です。

今回なぜインド映画を選んだのかというと、先日「バジュランギおじさんと小さな迷子」という今年大絶賛された映画を鑑賞しまして。

その映画が大傑作だったので、今回は映画館で見逃すまいという思いで今作をチョイスしました。

 

僕は基本的に大作映画ばかりを見る人種で。インド映画を食わず嫌いしていた部分がありました。

インド映画で観たことがあるのは去年公開された「パッドマン」くらい。しかもそこまでハマれず。

ですが先ほども言った通り、公開時にはスルーしてしまった「バジュランギおじさん」を観て、なんて僕は愚かだったのだろう、と現在猛省している次第です。

 

知らない方がほとんどだと思うので、「バジュランギおじさん」について説明しておくと、

 

こんな感じの映画ですね。

要は信心深いインド人のバジュランギがパキスタン人の口がきけない迷子の少女を彼女の家に帰すという話です。

一見簡単に聞こえてしまう話ですが、これがまぁ大変です。

なぜならインドとパキスタンが宗教上の問題で対立しているから。

今でもインド人とパキスタン人の間には深い溝があり、互いを憎悪しあっています。

そういった状況をふまえると、バジュランギの行動がいかに危険で、いかに勇敢な行動かが分かると思います。

この映画はインドとパキスタンの対立という問題を描きつつも、愛という信念を貫くバジュランギと少女の壮大で危険な旅、そしてその行動がラストで大きな感動を生む、ストレートに感動できる作品です。

本当にオススメですし、公開当時に見ていたら上半期ベストには絶対入っていたであろう作品です。

是非見てみてください。

 

あ、またやっちゃった。違う映画の感想を書いてしまった、、、。

ま、まぁインド映画は良作もたくさんあるから毛嫌いせずに見てくださいね!ってことを言いたかっただけですw

 

それでは前置きがまた長くなってしまったので早速鑑賞してまいりました!!

 

 

基本情報

イントロダクション

インドに暮らす14歳の少女インシア(ザイラー・ワシーム)のただ1つの夢はインド最大の音楽賞のステージで歌うこと。しかし父親は、娘が学業に専念し、叶わない夢など見ないよう歌を禁じる。そこで彼女がとった策は、顔を隠した姿で歌った動画をこっそりとYOUTUBEにアップ。彼女の歌声はたちまち大人気となり、その話題はインドで最も力があるが若干落ち目の音楽プロデューサー、シャクティ・クマール(アーミル・カーン)との出会いをもたらすのだが・・・!?若き天才女優ザイラー・ワシームが、夢をあきらめない少女をみずみずしく演じ、『ダンガル』の二人が再タッグを組む本作は、『ダンガル』『バーフバリ』に続き、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』を超えて、インド映画、歴代世界興収第3位を奪取(2019年4月現在)!世界中の人々を笑いと涙で包んで、夢を追う喜び、苦難を乗り越える強さを描く、サクセスストーリー!

(HPより抜粋)

 

あらすじ

インドに暮らすインシアは、両親と祖母、弟と暮らしている。父親は、権威的で、母親に暴力をふるうこともしばしば。インシアは、歌手を夢見てギターを弾き、自分で曲を作っていた。父からは叶わない夢にうつつを抜かすなと厳しく歌を禁止されていたが、母はインシアを応援しており、ある日父親に内緒でノートパソコンを買い与える。そこでインシアは、母の提案もあってブルカで顔を隠してYOUTUBEで自分の歌う姿をアップする。するとその歌声はたちまちインド中で話題になり、新聞やTVまでもが、“シークレット・スーパースター”の話題で持ちきりとなる。自分の歌声が響き、たくさんの人に聞いてもらっていることに喜びを感じるインシア。しかし、父に隠れて歌を歌っていることがバレてしまい、投げやりになりノートパソコンを壊してしまう。そんな時、有名ではあるが若干落ち目の音楽プロデューサー、シャクティが彼女を見つける。インシアは学校にも親にも内緒で、彼女を支えてくれる友人・チンタンの助けを得てシャクティに会いに行く。最初にシャクティから渡された曲は全くインシアに合わない曲だった。上手く歌うことのできないインシアをみて、プロデューサーたちはがっかりし、諦めかけていた時、インシアはシャクティの昔のバラードを歌いたいと願い出る。そこで歌った彼女の歌声が全員の心を掴んだ。しかし帰ってきた彼女には大きな障害が立ちはだかっていたのだった・・・・・。

(HPより抜粋)

 

予告編


『シークレット・スーパースター』予告編

(youtubeより)

 

キャスト

ザイラー・ワシーム

インシア役

 

メヘル・ビジュ        

母親役

 

アーミル・カーン    

シャクティ・クマール役

 

ラージ・アルジュン

(映画.comより抜粋)

 

スタッフ

監督

アドベイト・チャンダン

製作

アーミル・カーン

キラン・ラオ

アカシュ・チャウラ

脚本

アドベイト・チャンダン

撮影

アニル・メヘタ

音楽

アミト・トリベーディー

(映画.comより抜粋)

 

感想

まずはTwitterの短評から!

 

まずは大まかなあらすじから。

15歳のインシアは、歌手を目指してギターを弾いて曲を自作していました。

同級生のチンタン←個人的推しキャラ

から歌のコンテストがあることを知らされ、早速そのコンテストに参加しようとしますが、決勝戦がムンバイということを聞かされたインシアの母親は、父から了承を得ないとダメと言います。

インシアは父親を説得しようとしますが、話をさせてもらえないどころか、父は母が作った食事を床にぶちまけます。そう、インシアの父親は男尊女卑の思想を持つ亭主関白だったのです。

 

結局コンテストに参加できず、落ち込むインシア。そんなインシアを母親は気の毒に思い、お詫びにパソコンをプレゼントします。

インシアはそのパソコンで世界がいかに広いものなのかを知ります。そして、自作の曲を世界に広めたいと思い立ち、父親にバレないようにと顔を隠し、シークレットスーパースターと名乗り、youtubeにその動画をアップします。

最初こそ中々再生数が伸びなかったものの、徐々にその美しい歌声が評判となり再生数が伸びていきます。

動画は世界中で話題となり、当時物議を醸していたシャクティクマールという有名な音楽プロデューサーからオファーくるほどの大反響に。

 

とうとう夢が叶うかもしれない、そう思った矢先母が、大切な首飾りを売ってパソコンを買ったことが父親にばれます。

インシアは必死に母親を擁護しますが、父親は母に暴力をふるい、パソコンを捨てさせられます。

その上、父親から、家族全員でサウジアラビアに引っ越すということを聞かされます。

このままじゃ夢を諦めるだけでなく、いつまでも母は父に暴力を振るわれる、、。

 

そんな時、インシアはテレビで、シャクティクマールとその妻の離婚裁判で妻の弁護士が離婚裁判負けなしということを知ります。シャクティクマールからオファーされていたものの、シャクティは女性問題で物議を醸していたので当時は乗り気でなかったインシアですが、シャクティのオファーを受け入れる条件としてその弁護士を紹介してもらい、親が離婚することができれば、母親を救い、かつ夢も叶えられる。そう思ったインシアは早速チンタンの協力のもと、シャクティのいるムンバイへと旅立ちます。

 

ムンバイに着き、シャクティのレコーディングスタジオで早速レコーディングを始めますが、指定された曲はインシアの歌うジャンルとはまるで違います。当然ながら上手く歌えないインシア。

シャクティからも、もう帰って良いと言われてしまうインシア。しかしインシアはそこで踏みとどまり、シャクティにあなたが選んだ曲が悪い!と一言。

 

もう一度チャンスを与えられ、さっき歌った曲の原曲で歌えることになったインシアは、素晴らしい歌声を披露し、シャクティを圧倒させます。

シャクティはインシアの才能を認め、離婚にも協力すると約束します。

 

そしてインシアは弁護士とも話し合い、あとは母親が書類にサインするだけ。

当然母親はサインしてくれるだろう、とインシアは思っていましたが、母親は運命には逆らえないと言い、サインするのを断ります。

 

また、インシアは大おばさんから、母はお腹の中の子供(インシア)が女と分かったとき、中絶しろと周りの男から言われ暴力を振るわれたのにもかかわらずインシアを守り、どうにか産んでここまでインシアを育ててきたという衝撃の話を聞かされます。

そんな母の並大抵ではない努力を察したインシアは、自らはワガママだったと思い、夢を諦め、素直にサウジアラビアに行こうとします。

 

旅立つ準備が粛々と進む一方、シャクティはインシアが歌った歌をCDとしてリリースします。

歌はたちまち大ヒットし、インド最大の音楽賞にノミネートされます。しかし、授賞式の日はインシアが旅立つ日。インシアは授賞式には参加しないと言います。

 

学校の修了式の日。インシアと、インシアに想いを寄せるチンタンは最初で最後のデート?をします。

そしてインシアもチンタンに告白します。

 

その後、インシアの家族が旅立つ日がやってきました。サウジアラビアまでは、授賞式が行われるムンバイを経由して行きます。

ムンバイの空港でインシアの家族は、荷物が1つ多いから超過料金が発生する、と担当者に言われます。父親は超過料金を払いたくないという理由でインシアのたった1つの荷物であるギターを捨てろと言います。インシアは仕方なく従いギターをゴミ箱に捨てます。

 

しかし、インシアのたった1つの希望であるギターさえも奪われたことに堪忍袋の緒が切れた母はついに父親に物申します。そして引き止める父親を押しのけてインシア、弟とともに空港を出ます。

父親の束縛から解放されたインシア達は授賞式の会場へと向かいます。

シャクティは満面の笑みでインシア達を迎えます。そしてその側にはシャクティに招待されたチンタンの姿も。

 

いざ授賞式。

 

果たしてインシアは見事に賞を受賞することができるのでしょうか?

 

ここまでがクライマックス前までのあらすじです。

 

キャラがどれも濃い!

短評にも書きましたが、キャラクター描写があまりにも良かったので、ここに1人ずつ書いていきたいと思います。

 

  • インシア

もうこれは僕自身の話と関係してくるのですが、色々とインシアに共感する部分が多かったです。

 

インシアはyoutubeに動画をアップした時、もう度々だれか見てくれてないかな?早く再生数伸びないかな?って確認するんですよ。本当に何度も。

僕もね、このブログ始めてすぐの頃はほとんどアクセス数なかったので、だれか読んでくれないかなって凄いソワソワしてましたもの。

で、ちょっとでもアクセス数伸びたり検索順位が上位だったりするとインシアみたいに大喜びしてましたw

なのでこの映画でインシアに何か良いことが起きると、まるで自分のことのように心の中で大喜びする自分がいましたね。上映時間けっこう長い映画なんですけど、まったくその長さを感じさせない作品でしたね。何ならライオンキングの方が長く感じました(地味にディスってます、すみませんw)。

 

で、こういうネット、SNSが活用される映画というと真っ先に思い浮かぶ映画がありまして。

それが「シェフ 三ツ星フードトラックはじめました」っていう映画で。これはyoutubeじゃなくてツイッターなんですけどね。

はい、まあそういう映画があるという宣伝がしたかっただけです。

 

  • インシアの母親

貴方よくこんなクソ野郎と結婚しましたね、と言いたいところなんですが、これ恋愛結婚じゃないんですよ。インドではまだそんな風習があるのか、、。

これ第三者から見るとどう考えても夫はDVしてます。でも、金銭的な問題があり、中々離婚に踏み出せないんですよね。

常につらい立場でありながら、反対されつつも女の子であるインシアを産みここまで育ててきた彼女。

そんな彼女には、この映画のラストで何よりもステキなプレゼントが待っています。

それは劇場でご確認いただくということで。

 

  • インシアの父親

ク、ソ、野、郎。    以上。

 

  • インシアの弟

すいません、名前忘れました。

コイツがねー、マジで泣かせてくるのよ。

最初は男の子っていう理由だけで父親にちやほやされてるただのクソガキだと思ってたんですけどねー。憶測でしたねw

お前、、パソコン直してたのか、、偉いぞ、、泣いちゃったよ。

 

  • チンタン

はい、今作のMVPです。というか全男子が目指すべき男だろ!!理想形すぎるわ!!

 

一途なんだよ、一途すぎるよ君。キュンキュン度でいうと、個人的にはファーフロムホームを超えました。

歌のコンテストがあることをインシアに紹介したのもチンタン、パソコンを捨てさせられて落ち込むインシアを励ますのもチンタン、インシアが塾に遅刻すると遅刻した分のノートを貸してくれるのもチンタン、インシアがシャクティに会いに行くためムンバイへの航空券を手配したのもチンタン、なんならインシアがムンバイに行ってることをバレないように裏工作したのもチンタン。

つまりこれは、チンタンの、チンタンによる、チンタンがイケメンであることを見せるための映画なのであ〜る!

はい、自分でも何言ってるかよくわかりませんw

 

でも、チンタンがイケメンであることは確かです。

てかあんなにクラスメートに噂されたら普通恥ずかしくなったりしてインシアに近づきにくくなるでしょ!?

もう周りが見えてないかのように気にしないチンタンに終始ほれぼれしてましたw

とはいえチンタンは他のクラスメートからも慕われてるっていう。どんだけいい奴なんだよw

 

とにかく、チンタンは今作のMVPです。それだけは譲らない。

 

  • シャクティ・クマール

僕ね、アーミル・カーンが出てるインド映画一本も見たことないんですけど、それでも今作のアーミル・カーンは癖が強すぎて思わず笑ってしまいましたねw

インシアが最初上手く歌えなかった時にシャクティが、「ヘェェ、アァッ」って口ずさむシーンがあるんですけど、もうそこは観客みんな笑ってましたね。癖が強いんじゃ!w

その後、インシアにこんな歌は歌えないって言われてシャクティもこんなリメイクばっか作ってたらダメだよなって反省してたんですが、なんとエンドクレジットシーンでそのリメイク版の歌をノリノリで歌ってるっていうねwお前反省したんじゃねぇのか!っていうw

 

まあ終始コメディ担当として活躍してましたw

 

メッセージ性も良い。

少女が大スターになる過程を描くだけじゃないのがこの映画のスゴイところ。

しっかりメッセージ性もあります。

それは男女差別という問題。

今の日本では中々考えられない話ですが、インドではまだまだ根強く男女差別が残っているようで。

劇中では、インシアの母親のお腹の中の子供が女の子だと分かると男たちがこぞって蹴ったり殴ったりした、ということも語られています。

実際にも、女の子が産まれるのを歓迎しないという風潮はあるのだとか。

でもその一方で、現在インドでは女性の地位向上などの運動は活発化しているそうで。そのことを踏まえると今作は非常にタイムリーな映画とも言えるのではないでしょうか?

まあもっとも、今作はインドでは2年前に公開されたわけですがw

 

また、今作って差別問題をテーマとして最も重きを置いているわけでは無くて、あくまで親子愛の話であり、少女が大スターになるまでの過程の話であるんです。なので、とても見やすいし、観ていて気分が良いし、分かりやすい映画になっています。でも、それだけでも映画としては成り立つのに、敢えて差別問題というタイムリーな社会問題をいれてくることで、映画としての出来がグッと良くなるんですね。

要は、かなり計算しつくされた映画だなぁと思いました。

 

最後に

で、言い忘れたんですが、音楽が今まで見たインド映画の中では群を抜いて良いです。

歌声も素晴らしいだけでなく、耳に残りやすいメロディになっていて、これはボヘミアンラプソディやグレイテストショーマンなどにも引けを取らない素晴らしい音楽でした。

 

この日はライオンキング、ワンピース最新作が公開され、今作は上映館が少ないこともあり少々埋もれ気味ですが文句のつけようがない、まぎれもない傑作なので、少しでも興味を持たれた方は是非とも劇場まで足を運んでみてください。

 

今回はここら辺で。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10