bokuteの備忘録

新米の映画好きが自由闊達に綴る感想ブログ。

映画「ターミネーター/ニュー・フェイト」ネタバレあり感想&評価

ターミネーター/ニュー・フェイト

 

まえがき

どうも、東京国際映画祭も終わり、少しお疲れ気味なbokuteです。

今回は「ターミネーター/ニューフェイト」の感想記事を書いていきます!

 

またかよ、ターミネーター。そんな思いを抱かれた方、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

ちなみに僕もその1人。どうやら今回はターミネーター2の正統な続編と謳っているようですが、ということはつまり、今作がコケたらもうターミネーターシリーズは終わりということでよろしいんですね、ジェームズキャメロンさん?

 

でも残念なことに、すでに全米ではコケてるみたいです。まあそりゃそうだよな、完全にマンネリ化って感じしますもん。

 

とはいえ、僕はターミネーターシリーズが嫌いなわけではありません。むしろ大好き。何なら無かったことにされてるターミネーター3、4、ジェニシスも好きです。ジェニシスなんかはかなり好み。

だからこそ、それらを無かったことにして新作を作ることそのものが、何か振り回されてるような気がして胸糞悪いです。今作も三部作にする構想があるみたいですね、ふざけるなって感じですけど。エミリアクラーク出しといて一作で終わりって、、ジェニシスが不憫すぎるよ…

 

まあ怒ってもしょうがないので、今作に対する期待について話すと、実はまあまあ期待はしておりますw

そもそも僕はターミネーターにストーリーについての期待はしておりません!w所詮って言い方は変ですが、所詮娯楽映画なんですよ。シュワちゃんが無双してなんぼの映画だと勝手に思ってます。楽しいならそれでいい、僕のターミネーターに対する思いはその程度です。

 

てか申し訳ないですが、ターミネーターシリーズは傑作だ!とかは全く思ったことありません。多少大味で、飛びきり楽しい映画だという認識なので、今作もそういうトーンの、ストーリーより楽しさ重視の映画なら嬉しいです。

 

というわけで、早速鑑賞してまいりました!!

 

基本情報

イントロダクション

ジェームズ・キャメロンが生み出したSFアクション「ターミネーター」のシリーズ通算6作目で、キャメロンが直接手がけ、名作として人気の高い「ターミネーター2」の正当な続編として描かれる。キャメロンがプロデューサーとなり、「ターミネーター2」以来にシリーズの製作へ復帰。「デッドプール」を大ヒットさせたティム・ミラー監督が新たにメガホンをとった。

リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーも28年ぶりにカムバックし、シリーズの顔であるT-800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーも出演。グレース役に「ブレードランナー 2049」のマッケンジーデイビス、ダニー役にコロンビア出身の新鋭女優ナタリア・レイエス

(映画.comより抜粋)

 

あらすじ

人類滅亡の日である「審判の日」は回避されたが、まだ危機は去っていなかった。メキシコシティで父と弟とごく普通の生活を送っていた21歳の女性ダニーのもとに、未来から最新型ターミネーター「REV-9」が現れ、彼女の命を狙う。一方、同じく未来からやってきたという女性戦士グレースが、ダニーを守るためにREV-9と壮絶な戦いを繰り広げる。何度倒しても立ち上がってくるREV-9にダニーとグレースは追いつめられるが、そこへ、かつて人類を滅亡の未来から救ったサラ・コナーが現れる。

(映画.comより抜粋)

 

予告編


映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』本予告【新たな運命編】11月8日(金)公開

(youtubeより)

 

キャスト

リンダ・ハミルトン

サラ・コナー役

 

アーノルド・シュワルツェネッガー

T-800役

 

マッケンジーデイビス

グレース役

 

ナタリア・レイエス

ダニー・ラモス役

 

ガブリエル・ルナ

REV-9役

 

ディエゴ・ボニータ

ディエゴ・ラモス役

 

エドワード・ファーロング

ジョン・コナー役

(映画.comより抜粋)

 

スタッフ

監督

ティム・ミラー

製作

ジェームズ・キャメロン

デビッド・エリソン

製作総指揮

ダナ・ゴールドバーグ

ドン・グレンジャー

エドワード・チェン

ジョン・J・ケリー

ティム・ミラー

ボニー・カーティス

ジュリー・リン

原案

ジェームズ・キャメロン

チャールズ・イグリー

ジョシュ・フリードマン

デビッド・ゴイヤー

ジャスティン・ローズ

脚本

デビッド・ゴイヤー

ジャスティン・ローズ

ビリー・レイ

撮影

ケン・セング

美術

ソーニャ・クラウス

衣装

ナイラ・ディクソン

編集

ジュリアン・クラーク

音楽

トム・ホルケンボルフ

視覚効果監修

エリック・バーバ

特殊効果監修

ニール・コーボールド

(映画.comより抜粋)

 

てか今作の監督のティムミラーとジェームズキャメロンが編集段階で衝突したらしいんですけど、、、ますます不安になってきました。大丈夫かな、ほんとに…

とはいえ海外では高評価なので、ちょっぴり期待して観に行きます!

 

ここからが鑑賞後の感想です。ネタバレが大いに含まれていますので、映画鑑賞後に読むことをオススメします。

 

感想

まずはTwitterの短評から!

 

まずは褒める。

褒めたくない、そんな気持ちを押し殺して褒めます。

まず、これは映画観る前からわかりきってることではありますけど、リンダハミルトンとシュワちゃんのシリーズ復帰はターミネーター好きにとってはやはり激アツですよね。グレースとダニーがREV-9に襲われ必死に逃げようとするも、もはやこれまでか…と思われた時に登場するリンダハミルトン演じるサラコナー。

このシーンはシリーズすごい好きってわけでは無い僕でも鳥肌立ちましたね。てかレジェンド感が凄かったwさすがの貫禄でしたね。

 

アクションでいえば、グレースの、チェーンを使ったアクション。あれは中々迫力があって良かったですね、まあアクションでよかったのそこだけですけど。

てか冒頭部分は中々良いんですよ、今作。展開が急すぎるってのはまあ置いといて、序盤に空港でのアクションシーン入れてくるってのはかなりアガりましたし、ターミネーター観てんだなぁ、僕。みたいな感覚を覚えたというか、ターミネーターシリーズならではの良さを引き出せていた気がします。その後すぐカーチェイスになるっていうのも流れ的に興奮しましたし、要は冒頭20分くらいはそこそこ楽しめました。

 

そしてこの作品、例えるならスターウォーズ ファースの覚醒のような、世代交代の作品でもありましたね。サラからダニーへと、引き継がれていく物語といいましょうか。最初こそ急すぎる弟や父の死を乗り越えられず、自らの運命に立ち向かう勇気がなかったダニーが、サラの勇敢な姿を見て自らの運命と向き合い立ち向かっていく、これは「ニューフェイト」という主題ともバッチリ合っていましたし、胸熱な展開?だったと思います。

てか原題の「ダークフェイト」からなんで邦題を「ニューフェイト」にしたんだろうってずっと疑問だったんですけど、観た後ふと考えてみると、「ニューフェイト」の方が物語に合っているような気がします。

 

また、冒頭グレースが居合わせた男から服を奪い取るシーンとか、サラがREV-9にロケットランチャーを打ち込んでグレース達を救った時の「I'll be back」とかはいかにもターミネーターらしい場面でしたし、過去作を見ている方なんかは「お!ターミネーター始まったぜー!」みたいな興奮を感じられたのではないでしょうか?そういった過去作のオマージュも、作品の中に上手く取り入れられていましたね。

 

ちょっとこの映画、酷過ぎる…

もうね、褒めるの限界…wしかも結構無理やり褒めたんで支離滅裂な文章になってます、すんません。

で、僕の本心はというと…

マジで最悪。今年の最低続編映画。今後ターミネーターシリーズ制作されても絶対観ない。

 

そんな映画でした。今年の続編映画の中では「メンインブラック インターナショナル」が駄作として有名ですが、それを遥かに超える駄作がここに誕生しました。

酷評するってのは、酷評する側も、その酷評を読む側も決して気分の良いものではありませんから、今まで酷評するのはこのブログでは出来る限り避けてきたんですが、今回は酷評せざるを得ない、そんな作品です。なので、ここからは僕の酷評を読みたいという方だけ読んで欲しいです。「面白かった!」と思った人は読まない方がいいです。

 

そもそも今作を作る意義とは?

それすら疑われるオリジナル性ゼロの既視感アリアリな大味ストーリー、見にくすぎて2019年の新作映画ということを忘れてしまうほど粗いアクション、前作をぶち壊す序盤の衝撃展開とそれによって余計にわかりにくくなる謎すぎ蛇足設定、にしては長すぎる上映時間、メキシコシティを舞台にしてわざわざ主人公達を不法入国させるのにも関わらず特に国境問題に触れないという無駄すぎる展開。

 

などなど、もう酷すぎますよ。これはターミネーター3、ターミネーター4、ターミネータージェニシスのファンを愚弄してるとしか思えない。

これらの作品を無かったことにして正統な続編と無理やり言い張り、「デッドプール」のティムミラー監督、T2の監督であるジェームズキャメロンを制作総指揮に迎えて満を持して完成した作品、それが「ターミネーターニューフェイト」です。ジェニシス好きの僕にとっては悔しくて悔しくて、もはや悲しいです。

 

まず、僕だけでなくおそらく今作を肯定的に捉えた方達も驚いたであろう序盤の展開。そう、T2で敵ターミネーター倒したサラコナー達の元へ、T−800がやってきてジョンコナーを殺してしまうのです。

 

は?

 

僕は心の中で色々な考えを巡らせました。ターミネーター2をろくに復習していなかった僕は、あれ?ターミネーター2ではシュワちゃん味方だったよね?でもアレ2の最後で死んだよね、じゃあさっきのあのT–800はまた別のターミネーターか。あれ?でもジョンコナー死んじゃったらスカイネットによって抵抗軍は壊滅して人類が滅亡してしまうのでは…?

 

もしかしてT2であのターミネーターを倒した時点で抵抗軍が勝ったってことにされてるの…?謎すぎる…前作をこんなに台無しにして、それでも正統な続編って胸張って言えるの…?

 

僕はそのことばかり考えてしまい、今作を集中してみるということができなくなってしまいました。この時点でもう、僕の心の中では今作を肯定的に評価することができなくなっていました。結局その答えは未だにわかりません。

 

しかも、サラ達の味方としてのT−800ではなく、ジョンを殺したT–800が登場し、サラ達に協力するという構図がなんとも分かりにくい。

そしてそのT–800、ターミネーターのくせに良心が生まれて、家庭を持って、外見が老けているんだと。もう無茶苦茶すぎる。強引すぎるでしょ。ここまできたら何でもありだよね。なんで奥さんに中身がロボットってことがバレないの?一回も肉体関係持たないなんて、普通怪しまれるでしょ。良心が生まれるってなにそれ?世界観ぶちこわしてんじゃねぇよ、ふざけんなよ。

 

前作だと、ターミネーターでありながらジョンの味方として送り込まれたTー800が追ってくる敵からジョンを守りつつ懸命に戦い、自分の課せられたミッションだからと、ラストで自らをも犠牲にするという、ターミネーターだからと我々は知りつつも自らの信念を貫いた人間のように見えるそのシュワちゃんの姿に涙したんだよ…ターミネーターに良心が生まれたなんて、前作を汚すようなことは本当にやめてくれよ。

 

あと、メキシコシティを舞台にした理由が謎過ぎます。なんも理由なければ、ふつうはアメリカが舞台になるはずで、わざわざメキシコを舞台にしたってことはそれなりの理由あってのことのはず。僕はその理由がてっきり、今話題になっているアメリカとメキシコとの国境問題を取り上げるためだと思っていました。

 

ストーリーの中でも、ダニー達はサラコナーに度々ターミネーターの居所をメールで教えてきた、そのメールの送り主に助けを求めるため、アメリカに不法入国しようとするも、REV-9の策略によりアメリカ軍に捕まってしまうという展開がありますが、ここでは一切国境問題については触れず。せっかく今社会問題になっているのだから、何かしらの映画的メッセージがあってもおかしくない展開なのですが…それが無い。

 

なんで?

 

じゃあメキシコを舞台にした意味ないよね、強いて言えば国境でのストーリー展開で上映時間伸ばしたくらいだよね。しかもその上映時間そもそもが長いよね。つまりメキシコを舞台にしたことがかえってマイナスに働いているよね?もう謎すぎます…

 

なんか古くさい。

何が古くさいって、ストーリーとアクションです。

主人公の親と弟が殺されて、悲しんでる暇もなく敵に追われて、自らの運命と立ち向かって、敵に勝って、立派な女戦士に成長する。それが今作の大まかな流れですけど、この流れ、既視感しか無いですよね。ターミネーター1のようでもあり、アリータのようでもあり、スターウォーズのようでもあり、、、この流れがある映画、書き出したらキリがありません。わざわざメインキャストをカムバックさせてまで作った映画なのにストーリーが安易すぎます。

 

でもさ、スターウォーズはたしかに話の流れは似てるっちゃ似てるけど、それだけではないじゃないですか。いわゆる、「ストーリー上の寄り道」みたいなものが多いし、キャラクターもそれぞれ魅力的なので作品全体として凄くボリューミーになっています。

 

でも今作はそういった「ストーリー上の寄り道」みたいなものも全然ないし、登場人物もダニー、グレース、サラ、カール、REV-9の5人で、それ以外の人物はほとんど出てこない。これじゃあストーリーとして限界がありますよ。話の骨格が古いならそれを補えるだけの寄り道とキャラクターの個性が必要なのですが…それがない。

特にキャラクターの個性ってのが全くない。旧キャラはまだしも新キャラに全然魅力を感じない。これではストーリーが面白くなるはずがありません。

 

そしてアクション。これが酷い。最も酷い。ターミネーターはまあストーリーどうのこうのという前にSFアクション映画ですから。アクションが良けりゃまあ及第点にはなるような、そんな映画なんです。でもその肝心のアクションがダメとなると…どうしようもない。

冒頭こそスローモーションを効果的に使ったり、REV-9が鉄棒を通して体を移動させる、分身を作るなど、前作が作られた当時の技術では考えられなかった映像表現の数々に驚いたりしたのですが…後半が酷かった。

 

何が酷いって、とにかく見にくい!!それが如実に現れるのが飛行機墜落からクライマックスにかけてのシーン。もう何が起きてるのか全く見えない。画面も暗いし、アクションがグチャグチャでよくわかりませんでした。

 

そしてその後、よくわからないうちに飛行機が墜落して、水の中でREV-9とカールが戦うシーン。ここが一番見にくかったです。理由は単純。水の中だから見にくい、それだけです。

しかも水が濁ってて、飛行機の破片とかも水の中に落ちてくるから、本当に全く何が起きてるかわからない。こんなに酷く見にくいアクションシーンはトランスフォーマー以来です。アクションシーンは多めだったのに、見にくすぎるせいで気持ち的に全くアガることができず、むしろ見る気が失せて眠くなってしまいました。

 

そしてさらに問題なのが、ハラハラドキドキ感が無いということ。前作までのターミネーターは多少ホラー感があったんですよ。

ターミネーターが襲ってくるという恐怖が少しホラーチックに描かれていたというか。ジェニシスではホラー感はないものの、スカイネットに変わる新システム「ジェミニス」の起動を止めるためのタイムリミットを設け、ハラハラドキドキ感を演出していました。それが今作にはない。REV-9が襲ってきても全く怖くない。全然ハラハラしないしドキドキしない。

これは良い意味でいえば映画としてより見やすくマイルドになったといえますが、悪い意味でいえば魅力が無くなったというか、ターミネーターならではの面白味がまた一つ消えたといえるでしょう。

 

最後に

実は、僕みたいに今作を酷評してる人は少数で、評判も興収も日本ではかなり好調のようです。僕が思うに、今作は好き嫌いが分かれやすい映画だと思います。

でもあえて、個人的な意見を述べさせていただくなら、今作はわざわざ映画館で観るべき映画では無いです。アクションが良いなら別ですが、アクションも全然良く無いし、すごい盛り上がるってわけでもないし、家でワイワイしながら流し見する程度の映画かなと。スナックとか食べながら、見るのが最適かなと思います。

でも、興味があるなら、それは映画館で観るべきです。単なる1人の映画ファンの感想ですから。僕からオススメすることはできないってだけの話です。

 

てか、ティムミラーは一体どうしちゃったんだろう?こんな映画作るような人じゃないと思うんだけど。

とにかく残念でした。続編作るならジェニシスのがいいな。

 

それでは今回はここら辺で。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 

評価 ☆☆☆☆★★★★★★4/10