空気を読まない。

新米の映画好きが感想を書いたり書かなかったりするブログ

映画「ジュラシック・ワールド / 新たなる支配者」ネタバレあり感想解説&評価 人類と恐竜の共存へ。新三部作が出した答えとは。

ジュラシック・ワールド / 新たなる支配者

 

皆さん、お久しぶりです!

一昨年末以降は更新が途絶えていました当ブログ、再開する運びとなりました。それに伴うリニューアルの一環として、ブログ名を「ボクテクンの備忘録」から「空気を読まない。」などという何やら意味深な名前へと変えることにしました。

実は随分前から変えたいなあと思っておりまして、というのも旧ブログ名が自分の中でしっくりきてなかったんですよ(じぶんでつけたくせに

そんなわけで再開するこのタイミングで変更したわけですが、この新ブログ名に込めた思いとしては、やはり何においても空気を読まなきゃいけない(ある種生きづらい)現代社会の中で、文章の世界くらいは自由が担保された、空気を読まなくて良い空間でありたいということであります。

まあそれは建前?であって、要するにシンプルでしっくりくるからそうしたまでのことですので、あまりお気になさらず。

 

…そろそろ本題に入りましょうか。

今回鑑賞するのはいわば「ジュラシック」シリーズ完結編。監督は新三部作の一作目「ジュラシック・ワールド」で知られるコリン・トレボロウ。彼がスター・ウォーズEP9の監督予定者だったということはSW好きの私として外せない情報です(トレボロウのSW見たかったなあ…)

「ジュラシック」シリーズはこれで6作目。自分は一作目「ジュラシック・パーク」と前作「炎の王国」が特に好みなのですが今作はいかに。

早速鑑賞してまいりました!

 

作品情報

  • 監督 コリン・トレボロウ
  • 脚本 エミリー・カーマイケル、コリン・トレボロウ
  • 製作総指揮 スティーブン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービシャー、コリン・トレボロウ
  • 音楽 マイケル・ジアッキーノ
  • 原題 Jurassic World: Dominion
  • 上映時間 147分
  • 製作国 アメリカ
  • 製作年 2022年
  • 出演 クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニール、イザベラ・サーモン

 

あらすじ

前作「ジュラシック・ワールド/炎の王国」から4年。主人公オーウェンとクレアはクローン人間の少女メイジー・ロックウッドと共に山奥の小屋で暮らしていた。その近くにはオーウェンが調教したラプトル・ブルーとその子供もいたが、そんな中ブルーの子供が何者かに襲われ誘拐されてしまう。また他方では、メイジーも狙われていた。オーウェンとクレアはブルーの子供を取り戻し、実の娘のように想う彼女を救い出すための壮大な冒険へと旅立つ…

 


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ここからが鑑賞後の感想です。ネタバレを含むので、映画鑑賞後に読むことを推奨します。

 

 

感想

 

恐竜のいる日常。

前作で世界中に解き放たれた恐竜達。本作では恐竜に出くわすことが日常となり、混沌とした世界が描かれていました。

ドライブをしていたら突然目の前に現れる恐竜、漁の最中に現れて物凄い力で船を海に引きずり込む恐竜、結婚式を荒らす翼竜…人類は恐竜との共存という理想と現実の狭間でまだ解決策を見いだせていない様子。

その一方で、恐竜の保護に関しては新たにバイオシンという企業がその役目を担っている、というのが前提となる本作の世界観。

 

本作は147分とまあ比較的長尺なわけですが、そのうちの大部分はこのバイオシン社内でのゴタゴタでした。騒動といってもシリーズ王道の展開で、いつも通り企業が(というか社長が)悪いことやってるんですね。

その内容というのが、遺伝子操作して巨大化させたイナゴを大量にばらまいて故意に食糧危機を起こし、バイオシンが救世主ヅラしてヅラかろうという作戦。シリーズ屈指の悪どさ。

で、このイナゴが本当に気持ち悪い。あの悪名高い「キャッツ」のゴキブリ級にキモい。そして何度も出てくる、ほんと容赦ないなトレボロウよ。別にイナゴじゃなくてもええやんって話なんですが、それは置いといて。

 

要するに環境問題のエッセンスを入れたかったんでしょう。少し前にはバッタの被害で食糧危機か!?なんて一時期騒がれていましたし。ホットな話題ですし、試み自体は歓迎したい。

恐竜を蘇らせることによる生態系バランスの崩壊という軸に加えて、今作では遺伝子操作という軸が追加されまして、イナゴはその具体例として導入されたわけですが、これによって物語のテーマが広がった反面、ブレたとも言えてしまうのです。

 

イナゴの話から本題に戻りますと、バイオシン社内には「パーク」シリーズで活躍したマルコム博士が在籍しており、その彼から同シリーズに登場したサトラー、グラント両博士が呼び出されるという形で新旧キャスト大集合の布石が打たれます。

実際に全員が集結するのは後半過ぎてからなのですが、主要キャストが一堂に会するシーンはアガったなあ…このシリーズに特別思い入れがあるわけではない私ですが、この場面は流石に感動。

その後の新旧同士の会話含めノスタルジーな雰囲気に浸ることができたのは非常に良かったです。(SW続三部作にもこういうアガるショット欲しかった…などど未だにEP9に文句をつけるなどする)

 

「恐竜のいる日常」に関連して言えば前半のマルタ島でのアクション。危機が迫ったらなりふり構わず恐竜を利用する愚かな人間たち。おかげで街中恐竜だらけ。

一応、恐竜達はバイオシン社周辺の保護区に集められているのですが、もちろんそんな簡単に制御できるわけもなく。恐竜の密輸が行われているんですね。肝心のバイオシン社も密輸業者と関わりがあったりして、もう恥も外聞もないってか。

でも意外だったのは、今作の世界観ではそこまで世界が混沌としているような感じでもないという。現実世界ではあっという間に社会秩序なんて崩壊しそうですけど。まあいいや。

 

シリーズ定番の恐竜サバイバルはバイオシン社の恐竜保護区にて展開されます。画面が暗いのが難点ですが、程よく緊張感がある感じ。これなら怖いのが苦手な方や小さなお子さんでも見れそうなレベル。ただ自分としては「パーク」一作目のようなガッツリ怖い感じが好みですね。

他方では笑えるシーンも多めです。特に新旧キャストの掛け合いは楽しかったなあ。オーウェンがマルコム博士の銃構える姿見て「ランボー、抑えろ」って言ったセリフは最高でした。

関連で思い出したから書きますが、過去作のオマージュも結構含まれてると思うんですよね。セリフだけでなく、演出面でも。こういう配慮、かつ露骨ではない感じが良いですね。

 

ちなみに、こういったシリーズ作品には付き物の、「過去作との繋がりをどこまで踏み込むか」問題に関しては、本作では過去作を見ておいたほうが良いです。マストですね。

少なくとも、前作「炎の王国」は必須。「パーク」シリーズ初作も是非見てから、最新作をご覧いただくことを推奨します。初作は約30年前の作品ではありますが、不朽の名作、かつシリーズ不動の最高傑作ですのでこの機会に。

 

一体何を目指しているのか。

ここからは主に批判パートです。このシリーズは一体何を目指しているのか、本作ではその答えを出す必要があったはず。では実際はどうだったか。非常に乱暴なラストシーンでした。

 

正直なところ鑑賞直後には、4年費やしてこれか。147分使ってこれかよ、という失望に近い感情が浮かんできました。予習として前作を再鑑賞し、期待値がそれなりに上がっていたという要因もあるのかもしれませんが、それにしてもこの脚本はない。

結局、今までの典型パターンの再生産でしかないんですよ。ただ今シリーズに関しては再生産を必ずしも否定するべきでもないのは、まるで「ドクターX」のようにお決まりの展開がむしろ魅力となっていたからなんです。

しかし、これまでのシリーズ作品は(当然といえばそうですが)各作品固有の物語の流れの中でお決まりの展開を導入していたのですが、今作では導入のやり方が下手すぎるというか、なんというか…

 

つまるところ、前作から引き継いでシリーズを完結させるという使命を背負っているという状況の中で、バイオシン社の悪事を暴いて終わりってどういうこと?っていうことです。

で、取って付けたかのように突如説明セリフで「人類と恐竜の共存のためにはお互いを信頼することから始めないとね」的なことを言い出したと思ったらそれでおしまい、という乱暴さ。

「人類と恐竜の共存」という大テーマを掲げておいて、最後の最後に説明セリフだけで完結させてしまう。はっきり言ってどういう面持ちでこの映画を作ったのか、理解できない。

 

147分はそのテーマを徹底的に探求する時間にすべきでした。でないならば、前作でシリーズを完結させてしまう方が良かった。その方が、むしろ物語の流れからして美しいです。

そもそもバイオシン社という新たな舞台装置なんぞいらなかったんじゃないのとは思いますが、そこまで批判したらきりがないので。マルタ島でのシークエンスについて。

あの急なミッション・インポッシブル感はなんですか。いりますか?あれ。CIAもそうだし、密輸組織みたいなものもそうだし、全部ご都合主義。でもって一回シークエンス終わったらすぐポイ捨て。再利用なし。なぜこんな脚本になってしまったのか。

 

登場人物をうまく処理できていないのも問題。前作から登場したジアとフランクリン。ジアに至っては冒頭の恐竜保護シーンだけ。フランクリンも無理やりCIAに就職したってことにして少し映るだけ。新旧キャスト大集結でキャラクター渋滞的なのが起きているのは理解しますが、完結編なのだから最後くらいガッツリ出てきてほしかった。

 

そもそも論としては、本作ではバイオシン社の悪事を暴いただけで大きな部分は何も解決してないんですよね。世界中に恐竜の生息地が広がってしまった以上、万事全て解決なんて風にはいかないのはわかりますが、道筋くらい示していただかないと。仮にその「道筋」があのラストシーンだとしたら、納得いきません。

 

…本当不満の多い作品でした。

 

最後に

まだまだ言いたいことはたくさんありますが、眠くなってきたので今回は短めで。

各シーンごとでいえば良いカットは多くあるんですが…もう本当にまとまりがない。そのせいで説得力も生まれない。だからラストで白けてしまう。そんな映画でした。

 

まあ監督は欲張りだったのかな。完結編ということもあってやりたいことを詰め込みすぎて総合として収まりがつかなくなった…みたいな。

 

とはいえ、楽しめはしたんですよ。元々、このシリーズはワクワクドキドキハラハラな冒険映画ですから、そう考え込みながら観ることはないです。

これからご覧になる方は、そこを念頭に置くとより楽しめるかもしれませんね。

 

それでは、また次回!チャオ!

 

評価 ☆☆☆☆☆★★★★★5/10